第12回 インフルエンザワクチン

第12回 インフルエンザワクチン

インフルエンザワクチンとは

インフルエンザは昔から冬になると流行して猛威を振るってきました。江戸時代にはお染風、谷風、などの愛称で呼ばれました。死者も多かったようです。

近年になってからもスペインかぜ(1918)、アジアかぜ(1957)香港かぜ(1968)ソ連かぜ(1977)など大流行を起こしています。直近では2009年に新型インフルエンザが世界的な流行になりました。

インフルエンザワクチンイメージ

インフルエンザはウイルスが遺伝子の変異を起こしやすいので、毎年ワクチンに使われる株が変わる可能性があります。またウイルス自体が大規模な突然変異を起こすことが何十年に一回あります。この時は全く新しいワクチンを作る必要があります。

インフルエンザにはA型、B型、C型の3種類があり、さらにA型はソ連型(新型)香港型が、B型は山形系、ビクトリア系があります。C型は散発の発生で流行はしません。

ワクチンの接種時期について

インフルエンザは温帯地方では主に冬季に流行するため、ワクチン接種も晩秋から初冬にかけて行われます。ワクチンの効果は半年くらいです。インフルエンザが変異してしまうことも、効果が無くなる原因の一つです。このためワクチンに使われる株は毎年、更新されています。これは世界でほぼ統一されています。

2014年まではA型の2種類とB型のどちらか一種類がワクチン株として使われていました。でもこれだと春になったころに流行するB型に対応できないため2015年秋からA型、B型ともに二種類のワクチン株を使って4価のワクチンを作るようになりました。

インフルエンザワクチン接種イメージ

インフルエンザワクチンで感染を予防できる確率は約7割くらいです。でも65歳以上の方はワクチンを打っていればインフルエンザにかかっても重症化する可能性がすごく低くなります。

インフルエンザには抗インフルエンザ薬があり、症状の軽減に役立っています。でもインフルエンザ脳症など重症な合併症にはとても間に合わないので、やはりワクチンなどの予防が欠かせません。

インフルエンザの抵抗力は昨年までの実績が結構ものをいうことがあります。なので人生経験の少ない乳幼児や小学生は2週間以上の間隔をあけて2回、中学生以上は1回となります。

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